スポーツ料理研究家・村野明子さんの思ひでごはん~カット野菜で無駄なく、便利に。~
2024.09.1
残暑厳しい毎日が続きます。
火を使わなければいけないキッチンで、フーフー言いながら料理をされている方も多いのではないでしょうか。そんな私も、できるだけキッチンに立つ時間を短くしようと目論む一人。そうでなくても普段からできるだけ『簡単に、美味しく』を理想に、手際よく料理を完成させるための戦いを繰り広げていますが、その時短を実現する上でとても便利なのが『カット野菜』です。

例えば、ブロッコリー。一般家庭の場合、1茎買っても一度に全部使い切ることはなかなかないのではないでしょうか。サラダの彩りに、あるいは朝の目玉焼きの横にちょこんと添えるだけで見栄えも、栄養価も上げられるとわかっていても、その都度、必要な量だけ切って湯がく、あるいは電子レンジで温めるのは意外と面倒で…。買ってきた日はその手間をかけられても、残りのブロッコリーは結局、使い切らずに終わっちゃった、みたいなことも多い気がします。ブロッコリーに限らずとも、冷蔵庫に野菜が残っていたのを忘れて、あるいは、食べるタイミングを逸して、いざ使おうと思った時には新鮮さが失われていて廃棄してしまった、なんて経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。実際、私自身も過去には何度も、そんなもったいないミスで食材を無駄にしてきました。
ということもあって、ここ数年、野菜やキノコ類は買ってきたその日のうちに全て、下処理を済ませてしまうように心掛けています。
例えば、しめじ、舞茸、えのきなどは石づきや軸を取り除いておきます。キノコ類は使い始めると鮮度が落ちるのも早いので、すぐに食べきれない場合は、冷凍保存もおすすめです! ブロッコリーは一度に茹でて一口サイズにカット。ほうれん草も一袋全てを茹でて、水にさらし、ギュッと絞って適当な大きさに切り、すぐに使える状態にしておきます。白菜やキャベツは適当な大きさに切り、ゴーヤやにんじんもイチョウ切りにして保存袋へ。そう言うと「料理によって野菜の切り方を変えないの?」と思われるかもしれませんが、はい、私は変えません(笑)! 冷蔵庫の中で野菜を干からびさせてしまうくらいなら、無駄なく使い切る、摂れる栄養を全ていただく方が断然いいと思っているので、お味噌汁であろうと、カレーであろうと、同じ形の野菜をお鍋に放り込みます。
そうしておけば、さぁ料理を始めようと言う時に、包丁を準備して、まな板を出して、使い終わったらまた洗って…という手間が省けます。何より、夕食用に使ったブロッコリーが余っても、翌朝には朝食のお皿に添える一品に、あるいはお弁当の彩りに、と無駄なく使い切れるし、料理もカラフルになるし、栄養も無駄にならないし、といいことだらけです。「冷蔵庫にカット野菜が余っていたから、使っちゃえ」といつもの料理に加えたことで、新しい味に出会えた、なんてイリュージョンが起きるかもしれません。
ちなみに、今回、レシピを紹介したアジアン粥では、アスパラやトマトを使いましたが、もしも冷蔵庫にカット野菜が余っていたら、そちらもぜひプラスしてください。きっと、味により深みと奥行きを出してくれます。
と結論から話してしまいましたが、アジアン粥について少し補足を。
アスリート向けに食事を作る仕事をしていると意外と、お粥を作るシチュエーションが多くあります。特に季節の変わり目は体調を崩す選手も多いですし、夏の暑い時期には、冷たいものばかり口に入れすぎてお腹を壊す、夏バテで食欲を落としてしまう、熱中症になって頭が痛くて何も喉を通らない、みたいな選手も出てきます。
そんな時に重宝するのがお粥。もちろん、下痢が続いているような場合はまずはお腹に優しい白粥を作りますが、アスリートの場合、大抵は熱中症や夏バテ的などの症状で食欲を落とすことが多いため、1日も早く回復させるためには、喉の通りやすさだけではなく、いかに栄養を摂れるかも大切になってきます。

ですが、毎日毎食、同じ味つけのお粥では飽きて、食欲もそそりません。という経験から、和風だしのお粥だけではなく、新たな味を楽しめるお粥を作ろうと、アジアン粥を思いつきました。
作り方は意外と簡単。ごま油を敷いた厚手の鍋で鶏手羽先に焼き目をつけ、一旦取り出します。その鍋にお米と水、鶏ガラだしを入れて30分ほど浸したら、鶏手羽先を戻し、千切りにした生姜も入れて、弱火でお米を炊きます。お米が柔らかくなったら、仕上げにカットした野菜やトマト、細かく刻んだベビーチーズを散らせて5分ほど蒸らせば完成です。
あらかじめ、鶏手羽先に焼き目をつけるのは、鶏の旨みを閉じ込めつつ香ばしさを出すため。焼き目をつけることで視覚的にも食欲をそそる効果を狙っています! また、お米を炊いている間に、鶏にしっかり火を通すためにも、先に焼いておけば安心です。
仕上げにナンプラーをさっと回しかければよりアジアンテイストになりますし、逆に鶏ガラだしをコンソメに変えて、牛乳とカットトマト、チーズで仕上げれば洋風リゾットになります。お出汁や仕上げの風味づけによってサッと味が変えられるのもお粥のいいところ。いろんな味つけを楽しんでください。
ー村野明子さんの思ひでレシピ
コクうまチーズアジアン粥

胃と心を休めるエスニックなおかゆメニューです。
うま味たっぷりのチーズと手羽先をお楽しみください。
詳しいレシピはこちら▼
レシピ詳細 | コクうまチーズアジアン粥 | Rokko Butter Co.,Ltd. (qbb.co.jp)
<柴田麗/管理栄養士からのアドバイス>
●残暑厳しい今は、ビタミンA、E、Cを!
夏は体も紫外線によるダメージを受けています。そのストレスを軽減するため、残暑が厳しい時期には抗酸化作用を持つビタミンA、E、Cを摂取すること大切です。これらは抗酸化ビタミンと呼ばれトマト、パプリカ、ピーマン、ゴーヤ、かぼちゃなどの夏野菜に豊富に含まれています。また、残暑対策として栄養、運動、休養のバランスを整えることも心掛けましょう。
●水分量の多いお粥は消化の助けに。
通常のごはんよりも柔らかくて、消化を助けてくれるお粥は水分量の割合が多い順に、重湯、三分粥、五分粥、七分粥、全粥と呼ばれています。食欲がない場合は水分が多いお粥の方が食べやすいです。ただし、通常よりも炭水化物量が少ないため、エネルギー不足になりがちです。体調が悪い時をのぞいて、間食なども取り入れるようにしましょう。

