スポーツ料理研究家・村野明子さんの思ひでごはん~いつだって、ハンバーグは最強。~

2024.03.6

新しい年もあっという間に2ヶ月が過ぎました。

 まだまだ寒い毎日で、春の訪れを感じるのはもう少し先になりそうですが、3月という響きに心が躍るような感覚を覚えるのは私だけでしょうか。

 この季節になると毎年、2年前の関西から横浜へのお引っ越しと、Sunday Monday Kitchen(サンデーマンデーキッチンのオープン準備のために、目を真っ赤にして走り回っていた日々を思い出します。もっとも、今になって振り返ると3月の忙しさなど、オープンしてからの怒涛の日々に比べればどうってことなかったし、むしろ楽しい思い出になっているほど(笑)。今回はそんな懐かしい日々の話を少しみなさんにお話ししてみようと思います。

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 私が札幌で寮母の仕事を始めて15年以上の月日が流れる中で芽生えてきたのが「いつか自分のお店をやってみたい」という思いでした。とはいえ、描いていたのは7〜8人くらいのお客さんがコの字型のカウンターでぎゅうぎゅうになるような小さなお店。近しい世代の友人や仲間が仕事帰りにフラッと立ち寄って軽くご飯を食べたり、かつての寮生たちが家での食事がない時にお腹を満たして帰るお店みたいなイメージでした。

 なのに、いろいろなご縁が重なって、私が横浜で始めたのは70席も要する大きなお店でした。食事を作ることは同じでも、寮と飲食店では全く性質が違うことを思えば、お店を始める大変さは覚悟していましたが、店の広さがイメージの10倍ともなれば、今振り返ってもそれは無謀で、過酷な挑戦で…。オープンして半年ほどは本当にいろんな人に迷惑をかけ、助けてもらいながら、休みの日もひたすら仕込みに追われて、いつ寝て、いつ起きているのかわからなくなるほど馬車馬のように働いていました。

 正直、当時は先の見えないトンネルを走っているような毎日で、何が正解か、どうすれば皆さんに愛してもらえるお店になるのかすべてが手探りでした。ただ、一方で知らない世界に飛び込んでいろんな人たちに出会い、自分の世界が広がっていくのを実感する時間は、とても楽しくもありました。今になって思えば、一人では決して乗り越えられなかったはずの出来事も、オープン時から共に働いてくれている厨房スタッフ、マネージメントスタッフ、スイーツ担当スタッフ、レストランフロアを盛り上げてくれるスタッフが支えてくれたから、どうにか乗り越えられてきたんだと思います。

あれから2年が経とうとしている今も正直、走り続けてきたトンネルの向こうに、どんな景色があるのかは見えていません。ただ、真っ暗闇で何も見えなかったオープン当初とは違い、今はうっすらとながら、周りのものが見えるようになってきたし、どことなく遥か向こうから光が差し込んできているような気もしています。それによって、ようやく『これからもあの光を求めて、一歩一歩進んでいけばいいんだ』と思えるようにもなりました。

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 前置きが長くなりましたが、今回ご紹介する『アッコ流煮込みチーズハンバーグ』はそのSunday Monday Kitchenのオープニングメニューの1つにした『ハンバーグ』のアレンジバージョンです。

 オープン初日なので自信の持てるメニューで勝負を、と思い、ハンバーグを選んだのですが、実は初日は想像以上に忙しくなってしまったたこともあって、いつも通りにうまく作れなかったという苦い思い出も。その時は、料理以前の問題で、レジの前に行列ができるという焦りから生まれたオペレーションの悪さ、私自身の経験不足が災いして、肝心の料理が中途半端になってしまったのですが、あの時の教訓は今もしっかり留めています。というか、ハンバーグを作るたびに自然とあの日が蘇り、より丁寧に、愛情込めて作るせいか、より美味しくなっている気もします。よく愛情も調味料の1つだと言いますが、確かに思いを込めて作る料理には、調味料などでは補えない特別な味が宿るのかもしれません。

 もっとも『アッコ流煮込みチーズハンバーグ』と堂々と謳っておきながら申し訳ないのですが、正直、そこまで特別な裏技はありません。ポイントを挙げるなら、タネをとにかくよく捏ねることと、パン粉にポーションミルクを含ませることくらい。美味しくな〜れ、美味しくな〜れと捏ねれば捏ねるほどジューシーに仕上がりますし、ポーションミルクのおかげで味もまろやかになります。冷蔵庫に余りがちなポーションミルクを使い切れるのも嬉しいです。また、出来上がったハンバーグの上ではなく、タネの中にプレーンベビーチーズを忍ばせることで、お皿の上でハンバーグを割ったときにチーズがトロっと顔を出すのもテンションアップにつながります。ソースとの相性もバッチリです!

 そんなハンバーグは、テイクアウト用お弁当のおかずとしてもよく登場します。しっかりした味のおかずは冷めても美味しいし、そもそも『みんな大好きハンバーグ!』なので、喜ばれること間違いなし。一般家庭なら、前夜に多めに作っておいて翌日のお弁当に、というのもアリだと思います。そうそう、以前からテイクアウト用のお弁当も販売してきたSunday Monday Kitchenですが、嬉しいことにお弁当の需要が高まったことを受け、昨年12月からレストラン事業だけではなくケータリング事業『hugs』にも力を入れ始めました。愛情を込めた、栄養満たっぷりで彩り豊かな食事をホットミールやお弁当にてお届けします。『hugs』という名前は、チームのみんなで同じ釜の飯を食べた時のような、温かくホッとする感覚をケータリングを通して味わってもらいたいという思いから。ぜひご活用いただけると嬉しいです。

ー村野明子さんの思ひでレシピ

煮込みチーズハンバーグ

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ハンバーグをジューシーに仕上げるために粘り気が出るまでよくこねてください。
今回はチーズインした成形ですが、成形後上に練り込ませてもベビーチーズが溶けにくいのでオススメです。

詳しいレシピはこちら▼
レシピ詳細 | 煮込みチーズハンバーグ | Rokko Butter Co.,Ltd. (qbb.co.jp)

<柴田麗/管理栄養士からのアドバイス>

●ハンバーグは挽き肉の種類で脂質の調整を!
ハンバーグの主材料となる合挽き肉の主な栄養素はたんぱく質です。その他、脂質が高く、牛肉には鉄、豚肉にはビタミンB1が含まれます。脂質を控えたい場合は赤身のひき肉を選ぶとよいでしょう。また、ハンバーグに添える野菜やソースによっても栄養価が異なります。色の濃い野菜のつけ合わせでビタミン類を確保することが可能です。

●ケータリングを活用する時は栄養バランスに気をつけて。
ケータリングを活用するときに気をつけたいのは、揚げ物などが多くなり脂質の割合が高くなること。注文の際に、使用する素材や調理方法を工夫してもらったり、野菜の料理も取り入れられるようにお願いするのもいいでしょう。果物や牛乳・乳製品をプラスすることも忘れないようにして栄養バランスを心がけましょう。

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