QBB開発秘話・開発者たちの熱い想い~vol.2:多くの人に愛される大人気フレーバー「QBBチーズデザート6P瀬戸内レモン」~
2024.09.2
シリーズ初の季節限定品は今や大人気フレーバーへ成長!!
開発・発売に至ったきっかけは?
この商品以前はバニラ、ラムレーズン、贅沢ナッツとクリームチーズの濃厚さを活かしたフレーバー展開をしてきたのですが、次作はさっぱりしたフルーツフレーバーを発売したいと考えていた頃に4品目開発の打診がありました。レアチーズケーキの定番といえばレモン。レモンはクリームチーズのフレッシュな風味を引き立たせるのに最適な素材であり、爽やかな風味で後味がすっきり仕上がるので春夏スタート商品としてピッタリだと考えました。ただ、当時は瀬戸内産レモンの原料が今ほど潤沢になく、想定していた通年販売が難しい状況でした。弊社ではそれまで期間限定商品というものを発売したことがなく、チーズ売り場でも前例があまりありません。営業部からは反対されたのですが、上司に説得していただき発売を進めることができました。
苦労したことは?
●発売当初
果実のレモンのようなナチュラルな風味を表現することに苦労しました。まずは産地や加工方法の異なるレモン原料を手あたり次第試しました。比較的手に入りやすいイタリア、アメリカなどの海外産のレモンは香りが穏やかなものが多く、理想の香りを表現するために配合量を増やすと酸っぱくなりすぎてしまう。酸っぱくなりすぎない配合量で足りない香りを香料で補足しようとも考えましたが、香料で自然な香りを表現することが難しく、問題にぶつかりながら試行錯誤を繰り返しました。最終的には香りが強く、酸味が穏やかな瀬戸内産のレモンを使用し、配合を調整することで、レモン素材だけで理想の風味を出すことができました。
●2018年(リニューアル)
レモンの香りを強めるため方法を模索する中で、学生時代にはまっていたお菓子作りの経験がヒントになり、たどりついたのがレモンゼスト(レモンの皮のすりおろし)でした。レモンゼストを少量配合することでレモンの上品で華やかな香りを程よく引き立たせることができました。
●2024年
完成度がとても高い、人気のフレーバーのため、リニューアルに対する周囲の期待も高く、がっかりさせないリニューアルというところが最も苦労した部分です。今まで購入してくださっているお客様を大切に大きくは変化させない、けれども美味しくなったとわかる、その塩梅が難しかったです。さらに原材料等の価格が上がっている世間の流れの中で、レモンの果汁は増やしながら価格は据え置きというところも苦労しました。時勢的に容量や配合量を減らすリニューアルの方が多いのでは?(原料メーカーさんからも謳う原料の配合量を減らすリニューアルだと思われていました。)と思うのですが、配合面、原料面等、各所相談しながらその部分の調整をおこなっていきました。

どんな思いを込めて開発したのか?こだわりのポイントは?
●片山
当時、レモン風味の商品は多く発売されていましたが、レモン本来の風味を楽しめるものは少ないと感じていましたので、この商品ではレモンの自然な風味、香りをしっかり感じられる商品を目指しました。レモンというありきたりなフレーバーだからこそ、個性を出せるように原材料選び、配合設計にこだわりました。
(こだわりポイント)
① 果実のレモンのようなナチュラルな風味
「風味の強さ、香り立ちの良さ」が特徴の瀬戸内産のレモンを使用することで、香料に頼らずレモン素材のみで風味を出しています。瀬戸内産レモンピール、レモンゼスト(2018年以降)を散りばめることで、レモンの華やかな香りを引き立て、甘すぎない大人の風味に仕上げています。
② 爽やかな余韻
隠し味に洋酒を使用することで(アルコール分0.5%未満)レモンのフレッシュな風味を引き立て、後味に爽やかな余韻が残ります。
(発売当時の状況)
販売量を予測して販売期間6ヶ月分のレモン原料を確保して臨んだのですが、予想以上の売れ行きで、発売3か月目には準備していた原料をすべて使い切ってしまい、早期終売することになってしまいました。うれしい反面、欠品を起こしてしまったことで営業部には多大なご迷惑をおかけし、お叱りを受けました。翌年以降は購買部と協力して前年から充分な在庫を確保して発売に臨むようになりました。
(ネーミングエピソードについて)
発売当時(2012年)は瀬戸内レモンを使用した商品が少なかった。「国産レモン」「爽やかレモン」「檸檬(レモン)」「涼やかレモン」などの候補から当時の開発メンバーで投票して、議論して、悩みぬいて決定しました。ほぼ同じタイミングで某飲料メーカーからも「瀬戸内レモン」を謳った商品が発売され、後の瀬戸内レモンブームにも参加することができました。当時のメンバー全員で悩んで、このネーミングにしてよかったと感じています。
●板倉
私自身瀬戸内レモン6Pの美味しさに魅せられていた1人でした。そのため現在の製品の風味、美味しさを損なわないようにしたい、とまず思いました。そのため瀬戸内レモン6Pの特に魅力の部分は何かを考え、その部分を伸ばす配合検討をしました。新しい素材を足す、原料を新たなものに変更するといったリニューアルではなく、同じ素材のまま、香り豊かな瀬戸内レモンの配合量を増加させる配合が最もバランスが良く、美味しいものに仕上がりました。瀬戸内レモン特有の華やかな風味、爽やかに広がるレモンの香り、キレのある清涼感は強調できたのかなと思っております。

どんな人にどんな風に食べて欲しい?
瀬戸内レモン6Pはほどよい酸味で、気持ちのリセットをしてくれるなと感じています。私自身は出社前の朝、仕事中のひと休み、仕事から疲れて帰ってきた後など気持ちの切り替えのタイミングで食べることが多いです。癒されながらも、まだ頑張れそうと思える、そんな存在になれたら嬉しいです。
最後に一言!
【製品開発部 片山】
欠品騒動から始まり、気づけば発売13年目です。ここまで長く販売を続けてこられたこと、通年販売が叶ったことはひとえにお客様のご愛顧のおかげです。このたび配合リニューアルでレモンの香りも美味しさも増強していますので、お試しいただけると嬉しいです。これからも皆さまに美味しさ、癒しの時間をお届けできるように技術力UPに努めたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
【製品開発部 板倉】
今回の瀬戸内レモン6Pが定番品になることで、1年中店舗に並ぶことになります。バニラに続き、チーズデザート6Pシリーズの顔になるべく、皆さんの近くでずっと癒しの時間を提供できる存在になれたら嬉しいです。チーズデザート6P シリーズがここまで続いているのも瀬戸内レモン6Pの人気があったからこそ。また皆さんのご支持によって定番にするという思い切った展開をとることができました。今後とも瀬戸内レモン6Pを何卒よろしくお願い致します。



