スポーツ料理研究家・村野明子さんの思ひでごはん~忙しい師走は、片手間で美味しく。~

2024.12.20

あっという間に12月がやってきました。

毎年、この時期になると同じことを言っている気がしますが、本当に時の流れが早いです。1日1日を大切に、と自分に言い聞かせて2024年をスタートしたのがつい昨日のよう…。

そんな師走には、大掃除をしながらでも美味しくできちゃう、年賀状を書きながらでも完成しちゃう、ローストビーフを作りましょう。寮でローストビーフを作っていた時は、それこそ4キロもの牛もも肉を使っていて、その塊を半分にカットするだけで牛一頭と戦っているんじゃないか? ってほど血眼になっていた記憶がありますが、家庭用にということであれば、そんな気合いは必要ありません。放ったらかしにしておくくらいがちょうどいいと言っても過言ではないくらい、手軽に作れる一品です。しかも冷めても美味しいので、空いた時間に作り置きできるのも魅力です。

 下準備のポイントは2つ。冷蔵庫に冷やしてある牛もも肉を常温に戻しておくこと。ある程度、常温に戻ったら塩と七味をふりかけてキッチンペーパーで包んで30分ほど置いておくこと。そうすれば、余分な血が浮き上がってきます。それをしっかり拭き取ったら、フライパンにオリーブオイルを敷いて、表面に焼き目がつく程度に焼きます。これは肉汁を閉じ込めるため。その上で、160度くらいの低温にしたオーブンで18分ほど熱を通し、お肉の真ん中あたりが弾力のあるくらいの固さになったら完成です。その見極めが難しければ、お肉の真ん中あたりをトングで少し突っついてみてください。まだグニュグニュとした柔らかさを感じるようなら焼きが足りません。トングを跳ね返すくらいの硬さになるまでもう少し余熱で火を通しましょう。

また、オーブンからお肉を取り出したら、慌ててカットしないように気をつけて。焼いたお肉は一旦、アルミホイルに包んで15分ほど寝かすことで、旨味成分でもある『ドリップ』と呼ばれる赤い液体がお肉の中にしっかり閉じ込められます。この工程を端折らなければ、後々お肉をカットする際にドリップを見てギョッとすることもありません(笑)。お皿に盛り付け、ダイス切りにした『プレミアムベビーチーズ 濃厚ピスタチオ』と、微塵切りにしたパセリをふりかければ完成です。

 

 ローストビーフのいいところは、どんなソースでも合うことです。今回は、アルミホイルに溜まった肉汁、ブルーベリジャム、バルサミコ酢、醤油を小鍋で煮詰めて作った、甘酸っぱいソースを提案しましたが、カレーソースやトマトソースで楽しむのもいいですし、照り焼きソースを作って和風な味でいただくのも美味しいです。ローストビーフ自体はシンプルながら、いろんなタレを作っておけば味変にもなりますし、華やかさも増します。

シーズン的に、クリスマスなどのおもてなしにしたいなら、白いマッシュポテトやカリフラワー、グリーンのサラダ、ピンクのレッドキャベツのマリネというように、ローストビーフに添えるメニューに色を増やせばより、お皿の上が華やぎます。そんな時間がない! ということでなら、ローストビーフに直接、グリーンピースやピンクペッパーなどの色を散らすだけでも、かなりクリスマスムードを高めてくれます。

そんなふうに、その時々の用途に合わせて雰囲気を変えられるのも楽しいし、何より、冷めても美味しさが損なわれないのも作り手としては安心です。最初にお話しした通り、何かをしながらでも、ほとんど放ったらかしにしても出来上がる、忙しい12月には持ってこいの料理なので、ぜひ片手間で作ってみてください(笑)。

 

 最後になりましたが、2年近く私の思う『料理』のあれこれをお話ししてきたこのコラムですが、今号が最終回となりました。皆さんにとって、参考になるような話ができたのかはわかりませんが、私自身は毎回、寮母を務めた時代の懐かしい話を思い出しながら、料理を作る楽しさや魅力をリマインドできた、とても意義深い時間になりました。

このコラムでも繰り返しお話ししてきたように、料理は毎日のことであるからこそ『簡単に美味しく、楽しく』がモットーの私ですが、改めて考えてみると、いつもその先には、食べてくれる選手の皆さん、お店に足を運んでくれる方たち、といった『誰か』が存在します。そして、そんなふうに提供する先の誰かを想いながら、飽きさせないように、元気でいられるように、健康で過ごせるように、目標を達成するための力になれるように、と願って野菜を切り、お肉と格闘し、大きな鍋をかき回すのはとても幸せで、尊いことだと感じます。

しかも、そうして作る料理には常に私が育った母の料理や、いろんなところで食べた味が見えないDNAとなって刷り込まれているのも、なんだか人と人のつながり、家族の温もり、愛情を感じてあったかいです。

そんな温もりを大事にしながら、この先も『簡単に美味しく、楽しく』、食べてくれる人のために、心を込めて料理を届けたいと思っています。読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。また会う日まで。

ー村野明子さんの思ひでレシピ

ローストビーフ~ブルーベリーソースがけ~ソースを煮詰める時に煮詰めすぎると冷めたときに固まるので、
トロッとやわらかいくらいで火を止め、ダイス状にカットしたベビーチーズと
絡めて食感のあるローストビーフをお楽しみください!
詳しいレシピはこちら▼
レシピ詳細 | ローストビーフ~ブルーベリーソースがけ~ | Rokko Butter Co.,Ltd.

<柴田麗/管理栄養士からのアドバイス>

●部位ごとに脂質量が異なる牛肉。

牛肉は部位によって脂質量が異なります。ロース、バラなどは脂質が高く、モモやヒレは脂質が低くなります。肉の飽和脂肪酸は血中のコレステロールの上昇に影響を及ぼすため、摂りすぎには注意が必要です。ひき肉も一般的には脂質が高い部位に分類されますが、赤身のひき肉を選ぶと脂質が低くなります。

 

●ローストビーフの主栄養素はたんぱく質。

ローストビーフは牛モモ肉を使う場合が多く、たんぱく質が主栄養素で、ビタミンB12、鉄、亜鉛なども含まれています。その他、赤身の肉には脂肪燃焼をサポートするアミノ酸由来のLカルニチンも含まれます。使用するソースの種類によってその他の栄養価は異なります。

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