カルシウムが多い食べ物は?マラソン選手が骨密度を上げるためにチーズを食べる理由とは~上西教授に聞いてみよう~
2024.10.4
カルシウムが多い食べ物は?マラソン選手が骨密度を上げるためにチーズを食べる理由とは~上西教授に聞いてみよう~
フルマラソンなど、マラソン選手が最後まで力強く走り続けるために欠かせない栄養素の1つがカルシウムです。骨を構成するカルシウムなどのミネラル成分がどれくらい詰まっているか「骨密度」を高めておくことがポイントとなります。今回は、マラソンなどスポーツをする際に必要なカルシウムと、不足気味になる鉄分に関して、それぞれの働きや、日々の食事での取り入れ方を解説します。
■ケガを予防?トップクラスのマラソン選手がカルシウムを必要とする理由
近年、体力づくりや健康志向の高まりからジョギングやランニングを始める人が増えており、そこからレースやフルマラソンなどに挑戦するランナーもいます。
マラソン選手の体といえば、どのようなイメージがあるでしょうか。ここぞという場面で力を発揮する筋肉、最後まで走りきるための心肺機能の高さなど、さまざまな面で優れているのが想像できます。マラソン選手が日々の練習を質良くこなし、本番でも力強く走りきるためには、体の土台となる骨が丈夫でなければなりません。その骨の材料となる栄養といえば「カルシウム」です。
カルシウムとは体内に最も多く存在するミネラルで、骨や歯の原料になるほか、筋肉の収縮をサポートする働きなどもあります。
カルシウムが不足すると骨の形成障害や疲労骨折などを起こすおそれがあるため、マラソン選手には欠かせない大事な栄養素です。
このようなリスクを予防しながら健康な体を維持するためにも、骨を構成するカルシウムなどのミネラル成分がどれくらい詰まっているかを示す「骨密度」が高い状態が求められます。カルシウムは日々、尿中に排泄されますが、汗と一緒に失われることもあります。マラソンなどのスポーツをする際は特に骨密度を意識して、積極的にカルシウムを摂取する必要があるのです。
■強い骨を作るメカニズムとは スポーツでパフォーマンスを発揮するために
強い骨を作るために、体の中ではどのようなことが行われているのでしょうか。
骨は古くなると、破骨細胞が骨を壊す「骨吸収」と、その部分に骨芽細胞が新しい骨を作る「骨形成」を繰り返し、新しい骨に生まれ変わります。これを「骨代謝(こつたいしゃ)」といいます。
カルシウム不足や加齢などが原因で「骨吸収」が「骨形成」を上回る、つまり作られる骨より壊される骨の方が多くなると、骨は次第に弱くなります。
体の中では普段、血液中のカルシウム濃度は常に一定に保たれていますが、カルシウムが不足して血中濃度が下がると副甲状腺ホルモンが放出されます。副甲状腺ホルモンが分泌されると、腸管からのカルシウムの吸収率を増やしたり、尿中に排泄されるカルシウムの量を減らしたりするほか、骨吸収を促して骨に貯えられていたカルシウムを血液中に移動させます。
このような状況が続くとだんだんと骨はもろくなっていき、疲労骨折や骨粗しょう症を引き起こしやすくなってしまうのです。
強い骨を作るためには、カルシウムを不足させないことが重要です。
■乳製品がおすすめ?日々取り入れたいカルシウムが多い食べ物とは
カルシウムは体内で作ることができないので、食事から摂取する必要があります。このとき、一度にたくさん摂るよりも、毎食少しずつ摂ることが大切です。
カルシウムを多く含む食品には、牛乳・チーズなどの乳製品、骨ごと食べられる魚、大豆製品、野菜類や海藻などがあります。毎日の食卓で取り入れやすい食品とカルシウム量をみていきましょう。
▼カルシウムを多く含む食品とカルシウム量
*出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
【乳製品】
・牛乳・・・コップ1杯(200g)でカルシウム220mg
・ヨーグルト・・・1パック(100g)でカルシウム120mg
・プロセスチーズ・・・1切れ(20g)でカルシウム130mg
【魚介類】
・ししゃも・・・1尾(20g)でカルシウム66mg
・しらす干し(半乾燥)・・・大さじ2(8g)でカルシウム42mg
【大豆製品】
・木綿豆腐・・・1/3丁(100g)でカルシウム93mg
・糸引き納豆・・・1パック(50g)でカルシウム46mg
【野菜類ほか】
・小松菜・・・1/4束(80g)でカルシウム140mg
・乾燥わかめ・・・5gで48mg
・いりごま・・・小さじ1(3g)でカルシウム36mg
カルシウムが多い食品を比較すると、乳製品のカルシウム含有量の多さがわかります。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人1人1日当たりのカルシウムの推奨量を、男性は700~800mg、女性は650mgと設定しています。1日にコップ1杯の牛乳を飲むだけでは、どの年代も足りません。手軽に摂りやすい乳製品を中心にカルシウムを日常的に取り入れ、推奨量に近づけることが大切です。
体内でのカルシウムの利用効率を高めるには、ビタミンDが必要です。カルシウムを含む食品と一緒に、イワシや鮭などの魚やしいたけや舞茸などのきのこ類など、ビタミンDを含む食品を摂るよう心がけましょう。ビタミンDは日光を浴びることで体内でも生成されるため、散歩や日光浴なども有効です。
また、アスリートにとって不足しやすい栄養素として「鉄分」もあげられます。体中に酸素を運ぶために必要となる鉄分ですが、汗でどんどん体外に排出してしまうので、運動で発汗することが多いアスリートは鉄分をしっかり補給する必要があります。
■チーズは補食におすすめ?カルシウムの吸収率から見るチーズのメリットとは
カルシウムや鉄分に関して、摂取するべき栄養素の必要量が多いトップアスリートは、手軽に補食できるチーズを摂ることが多いといわれています。その理由として、カルシウムや鉄分は吸収率の低い栄養素なので、吸収率の良い形でこまめに摂取する必要があるからです。
そこでおすすめしたいのがQBBベビーチーズです。個包装で持ち運びがしやすく、運動の合間や休憩時などでもこまめに摂取しやすく、カルシウムや鉄分が不足しがちなアスリートの補食・間食にぴったりの製品です。
ほかにもQBBベビーチーズにはカルシウムの吸収を促進するため、牛乳のタンパク質から消化過程で生成するカゼインホスホペプチド(CPP)やビタミンDなども含まれており、ほかの食品と比べて吸収率が高く、骨粗しょう症の予防や治療に有用な食品としても推奨されています。
ここで、スポーツ栄養士が特におすすめするQBBのおいしく健康プラスベビーチーズ『チーズDEカルシウム』と『チーズDE鉄分』をご紹介します。
『チーズDEカルシウム』は、1個(標準13.5g)でなんとカルシウムが170mg(牛乳コップ3/4杯相当)とビタミンDが摂れる超優れモノ。日頃の食事や間食の際に1つ食べる習慣をつけることで、カルシウム不足を補いやすくなります。
~上西教授のコメント~
『チーズDEカルシウム』には、吸収率の悪いカルシウムを効率的に摂取できるようにサポートしてくれるビタミンDが多く含まれているため、不足しがちなカルシウム補給に役立ちます。個包装なので食事の補食として利用しやすいのも良いですね。
『チーズDE鉄分』は、マラソン選手のように持久パフォーマンスを発揮するアスリートに必須な鉄分を補給できます。1個(標準13.5g)で1日の鉄分所要量(6.8mg)や、葉酸所要量(240μg)の1/4が含まれているなど、通常のチーズより赤血球を作る際に必要な葉酸を多く含んでいるので、貧血対策の補食としてもおすすめです。
~上西教授のコメント~
鉄は全身に酸素を運ぶ赤血球中のヘモグロビンの材料ですが、カルシウム同様吸収率が低く、十分に摂取するのは難しい栄養素です。携帯しやすく手軽に食べられるベビーチーズなら、いつでもこまめに鉄の補給ができるのでおすすめです。
運動時の補食や間食だけでなく、毎日の食卓やおやつに「QBBのおいしく健康プラスベビーチーズ」を摂り入れて、手軽においしくカルシウムや鉄分を補うのはいかがでしょうか。
上西教授監修動画 「QBBベビーチーズで手軽にカルシウムと鉄を補給」
QBBベビーチーズ 商品ラインナップ
https://www.qbb.co.jp/babycheese/lineup
<参考文献>
厚生労働省:
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
一般社団法人 日本乳業協会:
https://nyukyou.jp/dairyqa/2107_241_370/
一般社団法人 日本骨代謝学会「骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版」:
http://www.josteo.com/ja/guideline/doc/15_1.pdf
<ライタープロフィール>
尾澤真紀(おざわ まき)
管理栄養士・公認スポーツ栄養士
Jリーグクラブで専属栄養士をしていた経験から、栄養サポート・講演活動を行い、スポーツでパフォーマンスを発揮するための食事の大切さを伝えている。またジュニアからトップまでアスリートのコンディショニングや体作りに向けたレシピも展開。現在は専門学校や高校で非常勤講師も務める。
<監修者プロフィール>
上西一弘(うえにし かずひろ)
女子栄養大学 栄養生理学研究室 教授
専門は栄養生理学、とくにヒトを対象としたカルシウムの吸収・利用に関する研究、
骨の健康と栄養、身体計測とライフスタイルをあわせた栄養評価、スポーツ選手の栄養アセスメントとそれに基づく栄養サポートなど。
日本栄養・食糧学会、日本栄養改善学会理事、骨粗鬆症学会評議員、
日本人の食事摂取基準、2005年~2025年版策定ワーキングメンバー(ミネラル)
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会委員